詩人:甘味亭 真朱麻呂
咲いては散りゆく命の花 言葉にすればたやすすぎてすべてが瞬く間に消える
一輪 はかなく 揺れる花はどれもが輝いている
遠くからじゃわからない近くで見ないとその存在がもつ特有の光には気づかない
どうか近くで
そばに寄り添い見てごらん
ひいきはしないで
特別扱いもしないで
ただ純粋に見てごらん
そんなまなざしが花を元気にし勇気づける肥料になり水になりやがてはきれいな花を咲かすから
見ててごらん
今に花を咲かすから
命の光
限りがあるから
見方によればつまらないかもしれない
でも忘れないで
永遠に咲き続ける花などない 人も同じ
君も 誰も 永久にこの世に根を張れない
この小さな家もやがて空き家になるだろう
命も借り物だから返すしかない
神さまの所有物だから
でも生きてるあいだは僕らのもの
汚しても何しても自由だし見た目にはわからないけど
身体は大切にしてあまり汚れないように心をみがこう 花を愛でるように命を愛でよう
ほんの小さなこの時間にかけて毎日きれいに咲くことつとめてみよう
きれいに生きるということは完璧じゃない
不器用でも精いっぱい生きる姿
それがきれいに生きるということ
つとめてみよう
あたりまえなようだけど命はころがすものじゃないたわむれるものでもない
あくまで咲かせるものだということ忘れちゃいけない
枯らせてはならない
見えないからといって
汚してはならない
正しさはいつも黒くすさむけど
汚れてもきれいなその姿を惜しみやり直そうと過去を洗う
そんな花ならばきっといつか咲くことができる
欲と泥にまみれた身体でも悔い改める心があれば上等だ
命よ燃えろ
花となり咲け
心にうち上がれ
大輪の花よ
命よ花ひらけ
いつか泡となり跡形もなく消えるとしても運命にひれ伏さず死ぬまで光を心から絶やさぬよう。