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詩人:甘味亭 真朱麻呂
僕は時々僕自身を嫌いになって
でもそれとは裏腹にこれでもかというくらい愛したくなる日もたしかにあるんです
嫌いという気持ちのぶんだけ心の中には果てしない愛がある
だから僕は僕を嫌いにはなれないし完全に愛せもしない
矛盾しているかい?
でもそれが人間というものですよ?
愛しすぎてもいけないし嫌いすぎてもいけないちょうどいい愛で自分を愛す
それが良いのかもしれないね
それが僕ら生きてくためには合ってる生き方かもしれないね
そんな嘘のような本当のような出来事がまかり通る世界でいまも自分を愛したり嫌ってみたり忙しくしてます
ヒマじゃないんだ
でも死ぬほどヒマな日もある
それも嘘だといえば嘘のようだし本当の事だな
まるで僕のことなのに僕自身もわからないこともあるんだよ
たとえばこんなこと そんなこと 沢山あるんだよ
空が橙に染まって今日もすべてにサヨナラ
告げたら眠る 朝がきたら目覚める
そんなあたりまえを繰り返してやがて嘘のように本当のように僕は矛盾したそんな世界の中で忽然と消える
僕の意識は炎の中で骨と燃える 肉は焼け視界はもうない
すべてが夢のようだ
だけれど本当だ
頬をつねってみりゃ痛いから
すべてが現なんだ
夢うつつなのは心だけ
そしてまた僕は
そしてまた僕は
同じことをせっせと繰り返す
そのために生きてるような世界で 涙を溶かすほどのさみしさが降る空の下で息が止まるくらいの奇跡と向かい合う
僕は誰かと出逢う
僕は誰かに恋をする
この大きいような小さいような不思議な箱庭で スケールの小さな夢をみる
愚かしいようなそうでもないような矛盾した気持ちのまま
僕はずっと。