|
詩人:甘味亭 真朱麻呂
通り過ぎる悲しみにふいに肩がぶつかって出逢うたび
僕らはおきまりのように涙するけど
いつのまにか自分でも気づかないあいだにそんな涙した記憶さえ忘れたように笑っているよ
だからすぐに忘れるさ
どんな悲しみも
そう それが現実なら流れゆく時間がイヤでも過去にしてしまうから涙でその場はしのぐのさ
雨のち晴れで続いていく日々はとてもすばらしいね
思わず笑顔こぼれる
だけどその笑顔の陰には隠れた涙が光る
ずっと僕につきまとう不安の暗雲が消えないまま
君の頭の上には笑ってる太陽が輝く
けれど僕の頭の上にはいつまでも消えないどんよりとした暗雲が今にも雨を降らしそうなんだ
色とりどりの傘を差しましょう 雨の日にもきれいな花を咲かそう
自分の好きな色の傘を天高くつきあげてこれが僕の夢だと叫び天気予報なんか頭から信じないことうたったら
信じるものは自分だけと誓おう
いたいけな僕ら救われない世の中なら
ばかみたいに信じてきた正しささえ疑ってしまうよ
雨が降る五月の道を歩けばカタツムリが葉っぱの上でお昼寝してる
そして僕はそれを見てなぜか笑う
そんな瞬間の積み重ねがやがて幸せと気づくまで僕らは何度でも何回でもそんなくだらない場面繰り返し繰り返してゆくんだぜ
僕が悲しいように空も悲しいみたいで空も泣いている
空から降り続く雨という名の涙が横殴りに立ち尽くす僕をぬらす びしょぬれの僕は傘を放り投げてダンスを踊る ステップ踏む
ゴム鞠みたいに跳ね回る気持ちがふいのさみしさに涙を流しても夜が来れば何も入り込まれない夢に沈む意識
つまらない日々にちょっとしたときめきをくれる今日にありがとう 喜ばせてくれてありがとう 悲しませられるのも今日だからついでにありがとう
本気のようなそうじゃないようなうたを君にこそ届けたい
ゆめ降る街にわか雨が降るフシギな日曜日に。