詩人:甘味亭 真朱麻呂
なにも望むことなんかないや
なにも叶えたい夢なんかないや
それでも明日に飛んでく 使い古されたこのボロい翼で行けるところまで
ゆるされた時間がやがて尽きて僕の命を黒い死に神がかっさらうまで
死に神は笑うかな無表情かな
僕たちはそんなくだらない夢みたいなことつぶやきながらただ進む果てなくつづく道を
歩き疲れても
立ち止まらずゆく
僕たちは新しい夜明けをさがして
朝にさがして
空見上げてさがして
星の砂をさがして
10000000000ぶんの1にも満たない何千倍に凝縮しても見えやしない小さすぎる夢をさがして旅人を気取りながら向かい風にしてやられながらも生きるため生き延びるため突き進む
それでもそれでも、と
弱音を奥歯で噛み潰して苦い苦い不安を飲み込んで悲しみを慣れきったふりで笑い飛ばして
目的なんかはなっからないだろう?
なんのために生まれたとかもないのさ
ただ言えんのは突然に生まれたからというだけのこと
それは予定にもなくてそもそもすべては誰かが僕を描いたから始まったことで
たどればきりがない 憎んでも仕方ない
だから誰のせいにも今さらできない
憎々しいのは事実けどなるべくもうけられた時間の中で精いっぱい生きていたい
憎むヒマがあるなら誰かをこんちくしょうってくらい愛してみたりね
カレンダーの数字ばかり目で追ってため息
からだが重い鉛になった気分さ
今 夜がそう 夜が更けて
夢の波間に光る明日といつか撃ち落としたい一番星
用意された宿題は山積み いつになく
でも笑える僕とそれを愛してくれる人ここにあり
僕たちは新しい夜明けをそれでも探す
悲しませられてばかりの今日でも
喜べるのも幸せになれるのも今日
買いだめした涙を懐にしのばせて
いつでも泣けるように心のポッケにしまうよ
そしてまた歩きだす
今より先へ先へ僕たちは進む。