詩人:甘味亭 真朱麻呂
僕の一秒が君には貴重なんだね
たかが一秒されど一秒
無意味なんてことはないさと時計を見つめて君は言うんだ
一秒で変わる気持ち恋してる 愛せる
君の心が刻む正確なその時間に僕という時間がプラスされて少し君は戸惑う
それでもその一秒で僕らはうまく笑えるさ
一秒で仲直り
一秒ですれ違っても
一秒だって積み重なれば山のように長い時間になる
一秒だけでも貴重なんだ 大事なんだ
一秒の君に恋をして
一秒の間に恋をして
僕らはひとつになる
一秒の中で恋をする
一秒の内に恋をする
僕らは手をつなぐよ
そしてまた僕はきりもなく
甘くせつなく一秒の君に恋をして
時に波のように引いては遠くなり押しては近くなり
そんなふうにつづいてく日々がまた一秒ごとに君をきれいにしてゆく
まるで遠近法の恋
奥行きがある動く絵画
その先にいつも笑う君
時に涙する君
ああ 僕はそんな日々が 君が大好きだ
言葉になんてできやしないかもしれない
だけど この好きの気持ちだけもっとうまく いつか 伝えられるように 一言だけ 小さな数秒にかけて僕は言ってみせるから 待ってて
一秒がただ折り重なり長引いただけの世界で
一秒ごとに表情を変えていく摩訶不思議な世界で
僕は一秒ごとに成長し
君は一秒ごとにきれいになる 光り輝く
その時間にだけはうそ偽りはない
その言葉にだけはうそ偽りはない
一秒の君に今
僕は誓うよ
いつか一秒の長いような短いような終わりに寄りかかるまで
一秒の世界で今
僕はうたうよ
一秒より短くはかない時間をもったどんな時間でも見飽き足らないずっと見ていたくなる君だけに誓うよ。