詩人:けむり
もうさびしいときにも電話しないよ。
もし街で見かけても目を合わさないし、
もう歯ブラシも捨てることにした。
クセっぽい二人だし、
手をつないで歩いても違うものを見ていた。
好きな音楽が違ったし、
テレビタレントも違った。
だけど短い間、
ぼくたちだから見れるものを見たし、
ぼくたちだから育めるものを大切にしたね。
きみはタバコをぼくと同じ銘柄に変えたし、
ぼくはおそろいのパジャマをプレゼントした。
ぼくたちは急ぎすぎたのかな。
思い返せばたくさんのものをこぼしながら走ってきた気がするよ。
だけどそのスピードがいつもぼくを熱くした。
バカだなって思うよ。
ザマない。
かけ離れたところでまた会えたら、いいね。
だけどさ、
寝つけない夜には電話してきなよ。
いつだって無駄話につき合うよ。