詩人:メメントモリ
未だ覚めやらぬ夢。
夢の中でアタシは父に怯えている。
父親がいつ怒り出すのではないかと言う恐怖感。
怯えているのは小さなアタシでは無い。
もう成人を迎えているアタシだ。
なのに、まるで子供のように怯えている。
今日は怒りませんように
今日は怒りませんように。
母やアタシ達の些細な失敗で
父は怒りを爆発させる。
いつも
そっと生きていなければ成らなかった。
停電を起すことでさえ
父の怒りを買う。
電気量も測りながら生活をしなければ成らない。
アタシは今何処に居るのか解らない
夢の中でぐるぐる回っている
大学の寮
実家
学生のアパート
そして
新居。
目を覚ますと辺りを見回し
夢で有ったことに気づく。
安堵する。
恐怖は安堵で埋まるが
すぐに恐怖は戻ってきて不安で一杯になる。
父も
母も
愛している
だからこそ
深く根付く
恐怖。