詩人:甘味亭 真朱麻呂
心がすごく寒いよ
君がいないからかな
季節はもう春だというのに恋ひとつなくしただけで今の僕はしだれ桜みたいに前かがみにうなだれてる
ねえ 君も僕とおなじように心寒い思いをしているのかな
胸に手をあてて自分自身に聞いてみる
それはないだろう
いつも君と暗くなるまで眺めていたきれいな景色 夕暮れ
今日も沈むよ 大事なもの欠けたような今ひとつぱっとしない真っ赤な夕陽が
君がいない景色はとてもさびしく見えます
元気でいるのかな
それさえ知ることのできない僕はだだ昔を思い出して思い出にひたるだけ
とても見苦しいね
ばかだよね 僕は
だだ一人 恋人をなくしただけで夕暮れはどうしてこんなに切なく見えるの?
たぶんもうこの世界で君と僕が笑っていたようなあの景色は見れないだろう
あの景色だけが僕の一生で最後の本当の幸福と呼べる景色
幸福という名の風景
幸福という名の風景
過ぎ去った今では懐かしいけれどそのぶん現実は残酷すぎて思い出すたび悲しいね
きれいな思い出さえ涙でにじんでゆくから…君。