詩人:高級スプーン
生まれ持ったものなのか
ある日を境に発病したのか
人並み絶えない地下鉄で
誰もいないトンネルで
変わっているのは
たった一人か
大勢いる中で
誰を基準にしたのか
いままで生きてきた中で
人とは違う発言や
行動はあったのか
幾つの面を知った時点で
その相手の素性に
触れたことになるのか
ごく普通と呼ばれていた
今じゃもう特別な人
皆が認知しはじめた時には
もう手遅れだった
それまで誰も
気にも留めなかったのに
見つけた後に
貪るように捜し出した
好奇の眼差しで
誰を見る
赤ちゃんに戻れないなら
早く老人になりたい
普通なら今すぐ死ぬハズだ
でも生きていた
誰が決めた
誰が決めた
普通じゃなくなったのか
普通じゃなかったのか
病は普通から