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詩人:どるとる
ルールからはみ出しても誰かを捨て身で救いたい
消えてゆく命にもう一度チャンスを与えたい
きっかけはほんのささやかなものだった
だから白衣を脱いだ
それが正義なんて思っちゃいないさ
だから僕は自分を天才などとは言わないのさ
それが自分の誇りさ
今は
ひたすら繰り返してゆく
汚れたような行為
誰かの笑顔に時おり胸が痛むけれど
笑い返す
それが僕ができる精一杯 していい事
愚かだ嫌いだと言われたっていい
もっともそれが正しい見方
だけれど僕は救いたい 救いたいんだ
なぜか心からそう思うんだ
行き場のないからだ
居場所のない自分
僕の席はどこにもない
あるのはこのさびしさと果てしない寒さだけ
僕の病は治らない
多分そう永遠に
どんな名医でも治せない
光るメス
滲む血の赤い線
黒いマント
顔に走る縫い痕
僕はブラックジャックのように非道に
だけれど優しく生きたいのさ
ルールからはみ出て獣道にそれていってもそんな自分を愛せたらいいなと思う
今 僕はそんな気持なんだ
ハロー
ブラックジャック
あなたを見習う
永遠の人生の師さ
あなたは あなたは
そして再びメスが人の命を救うよ
僕は笑って泣いて
どこにだって行くよ
ブラックジャックのように 日々をさまよう
医師という名のレッテルを背負い無免許という名の悪行を誰かの命をもって賄う
絶対的な正義じゃない
だけれど必要悪と割り振る
だからメスは置けないのさ
そうだろう?
ブラックジャック先生!