詩人:さみだれ
悪魔の尻尾をもった子供は
夜が明けないうちに魔王にさらわれるよ
知らない部屋の中で
友達になれそうもない猫が丸まって
行き場のないさみしさが
いよいよ羽を生やしたよ
飛べるほど部屋は広くないし
声を出しても猫は喋らないし
角が生えたら終わりだよ
もう元には戻れない
魔王はそんな頃合いを見計らって
外へ放り出すんだ
それはだだっ広い大地と
ひたすら夜ばかりが続く世界
こんなところじゃなかった
悪魔のような子供は
もう元には戻れない
この世界の楽園には程遠い
見知らぬ地へ去っていったよ
僕らの声も聞かず
去っていったよ