詩人:遥 カズナ
朝
たまに、なのだが
だいたい8時頃に
車を大通りへ、乗り入れようとすると
ちょうどすぐ左の路地から
オバーが日傘をさして
メガネをかけた
中学生くらいの女の子と
寄り添うように
歩いて、出てくる
出勤時間を最近
遅らせたせいか
よく見かけるようになった
度々、観察していたのだが
どうやら、少女は
視力が弱いようで
こちらの車の前を
横断歩道で
二人が横切る時には
オバーは右手で彼女の左手を抱えるように
手をひいて
そうして道路を渡って行く
どうしてなのかは分らないが
二人を見かけた日は
元気づけられて
なにかしら楽になって
その日を一日を安らかに
始められる