詩人:どるとる
目の前にあるのに
気づけない 見えない
大事なことなのに
見ようともしない
すぐ隣にあるのに
なぜかわからない
大切なことなのに
頭から否定する
ふれられず見えもせず
形のない「それ」を
愛と呼んだり 優しさと呼んだりするけれど
見えもしないのに僕らは まるで見ているかのように「それ」を
本当のところは 何ひとつわかっていない
実際のところは 何ひとつわかっていない
盲目です 開いた瞳には 幻だけがはっきりと映るだけ
盲目です 閉じた瞼の裏にさえ 理想ばかりが堆く 重なるだけ
目の前にあるのに
すぐ隣にあるのに。