詩人:Ray
月の光が
こんなにも明るいなんて知らなかった。
僕が歩くと 影が出来る
夜の世界なら
せめてひっそりと
その存在を誤魔化して
歩けるかと思ったんだけど
月のせいで
僕ははっきりと
そこに姿が現れた。
息を吐くと 白く染まる
誰かの温もりが欲しくて
ただ手探りで生きていた昨日の僕が
恥ずかしくなるくらいに
今日の空気は冷たかった。
音を作れば
一瞬で世界が壊れてしまうんじゃないかと
本気で心配した。
透明で 静かで
明るい夜。
僕が
笑っていようと
泣いていようと
まったく関係無い。
冬がもう ここにいた。