詩人:甘味亭 真朱麻呂
心の中に棲んでる弱さを僕はどこまで抑えられるかな
誰でも一度は現実から目をそらしたいと思うだろう
僕はそれが長続きするだけさ
みんな悲しいとか
みんな辛いだとかよく耳にするけどそんな言葉で癒せるほど悲しみは浅くない
三途の川の船着き場まで悲しみはついてくる
生まれて死ぬまで雨の中を歩いてゆく
やまないその雨に濡れながら雨なのか涙なのかわからないほどずぶ濡れの心
今も何ひとつ変わらないままここにあるよ
誰かが思う以上に僕はうそつきで
誰かが思う以上に僕は弱い人間だ
誰かが思う以上に僕はとても愚かでばかな人間だ
明日の不安がまだ夜も明けないうちから夢の中にまで入ってきてこの僕を不安の渦の中へ突き落とす
なんで僕は生まれてきたんだろう
そんな悲しい疑問持つ日もあるけど今日も生きている
悲しい目をしながら
うつろなこの瞳には幸せなんて映りゃしない
映るのはせいぜい自分の傷だらけの今とむなしさだけ
生きていくことを僕は時々おっくうに感じて 背負った現実に心が押しつぶされる
誰も僕の生死を問わないならこのまま僕はいつか誰にもわからない場所で寿命がくるまえにいつか天に召されたい
もう限界はこえたけど
誰かが思う以上に僕らは悲しくて
誰かが思うよりずっと頑張っている
その頑張りが時に道ばたにはき捨てられたガムのようにつぶされてしまうけど
それでも僕は生きていくことを選んだ
いつか本当に本当に心が死ぬまで
今はじっと堪えてさ
恋などしたりして
必死に気を紛らわせ
風に吹かれよう
友達も家族の中にさえ心から分かち合える人もない人よ
君の居場所はきっともっと遠くのほうにあるからもっと先へ行けばきっと
今僕に向けて放つ
精一杯のやさしい歌
嘆くばかりの僕の心に雪のように降り注ぐ
あたたかい涙によく似た雨にぬれてる。