詩人:さみだれ
クマさんは考えました
"あれ?もしかして生きることって食ったり寝たり交尾するだけじゃないのかも…"
クマさんは今年で10歳になります
みんなからはクーちゃんと呼ばれ慕われています
クマさんは聞いてみました
「佐々木さん。生きることって食ったり寝たり交尾する以外に何かあるの?」
佐々木さんと呼ばれたアライグマは"何言ってんだ"とばかりにため息をつきます
「あのなぁ、そんなこと考えてても仕方ねぇだろ。人生ってのは何にも考えず、本能のまま生きるのが一番。それが生きることだバカ野郎」
クマさんは首をかしげます
「だとしたら、僕は損をしてるのかな」
そこは檻の中
動物たちが与えられた明日を生きる世界
クマさんは15歳になるまで考えました