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詩人:甘味亭 真朱麻呂
僕らは歳をとってもそれなりにやっているだろう
しわくちゃの手をつないで公園を散歩するのだろう
お互い その時は白髪だらけの髪を風に揺らしながら笑うのだろう
歳を重ねただけ寄り添う思い出と歩いた距離のぶんだけの誇り
増えていく記憶
分厚くなるアルバム
人は命を捧げて生きてるぶんだけなにかを学んで
優しさをもらい
日々人間らしくなる
知らないあいだに
さりげなく
歳とともに僕は成長する
同じ数だけ
歳を重ねて
今も歳をとり続けやがてふたりは天に昇る
そんな悲しみさえともにできたなら素晴らしいけれど
そんなこと 思った日曜日の夕方
仲むつまじくおしゃべりする老夫婦の姿に見とれ自分たち重ねてた
微笑ましい景色だ
理想の景色だ
未来の僕らだ
姿は若いころに比べればみにくくも
素晴らしい美しさをもつ
僕の理想です
そんな幻を見てる。