詩人:甘味亭 真朱麻呂
大切な時が心の中に切り刻まれてゆく
悲しい記憶ももう永久に消えないから
こうなったらずっと死ぬまで一緒だ
悲しみも喜びも明日まではこんでゆく
笑ったフリ 押し通してきた
閉ざされた扉の向こう今も夢はある
あきらめのついた未来などないから
今でも夢は輝いて見える 悲しいほどに
花が散るように
悲しくもきれいに終わりをむかえた夢
桃色に染まった桜の花びらのように僕の記憶だけ鮮やかに彩り そしてすべてを悲しみに染める
目に痛いくらいまぶしい悲しみで染める
心に浮かんだ記憶
みにくい思い出ごと桜色でスキマなく染める
涙に暮れるばかりの僕でさえ当然とばかりに染める
時にうらんでた
されど愛しい色
桜が告げる始まりの薄紅色
今、さんざん憎んできた僕をも染める
その瞬間広がる自分の浅はかさが痛みをはらんだ優しさに変わってゆく
あの 桜のような 懐かしい匂いがする
桜吹雪 立ちつくす僕をつつむ 目をひらけばそこは鮮やかな未来? 退屈な未来? 憂うつな未来?
今日、僕はその旨を知る。