詩人:甘味亭 真朱麻呂
今 僕はなんのために生きているのだろう
そしてなんのために生きていくのだろう
わからないのになぜ僕は明日も生きたがるのか
降り続く雨に問いかけてみても雨はなにもいわずただパラパラと人々をぬらすだけ からだをすり抜けて心をもぬらすだけ
アスファルトを焼き尽くすいきおいの太陽にきいてみたらと思ってきいてみても太陽はなにもいわずいつものようにまぶしいってだけ
薄情な奴らばかりだ
神様なぞいやしない
信仰心ももってない
法華経も僕には馬の耳に念仏だ
だから僕はなぜここにいるのかさえわからないで生きている
自分の起源さえわからないままで明日も生きようとしている
夢のようにここにいつか生まれて夢のように終わる時間の中で
やがて雨がやむように僕は死ぬのだな
雨はずっと降っている
笑ってる時さえどこかで誰かが泣いているみたいに心の中見えない雨が降っている
喜びはつかの間
そんな事を知っているから楽しくなるはずの明日もかげりのある笑顔を浮かべてる
すべてはずっと昔から変わらない冷たさで
すべてはずっとずっと昔から人々をぬらし続けた雨の仕業
これから生まれくる人々も
昔生まれそして死んだ人々もぬらした雨
その雨がやむ日は
きっと死ななければ無理だろうな
無に沈まないかぎり
夢の中でさえ不安は入り込むから
夢より深い無意識の闇に落ちたなければ
きっと雨は降りやまぬ
だから今日も僕は笑いながらも泣いている
だからこの笑顔にはいつもどこか厭な嘘っぽさが在る。