詩人:是清。
知つてしまつたら/まう後には引き返せない/まう元には戻れない/彼ノ頃笑つて済まされた事でも/総てを識つてしまつた今では/妾の云ふ事全てが嘘で/さう思つてくれて良い/だうせ彼ノ頃には戻れない/妾は汚い/今凄く汚い/君に触れる事も出来ない/君を汚したく無い/月光のやうな/神々しい君を/綺麗な君を/唯ひたすらに/欲しいと思ふ/君がくれる悦びに/浸つてふやけた妾が悪ひ/朽ち果てる其ノ日迄/妾のせいにしてくれて良い。