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[50080] 大いなる幻影

詩人:ライカ

イラついて
ミネラルウォーターのペットを蹴飛ばした
初秋の昼下がり

フローリングの上には
ジクジクと染み出す
純な液体と
己が心を体現するかのような
不格好に凹んだ
ペットボトル



あぁ 西日が差しこんで

水たまりが綺麗ね

キラキラ

木目の上を飾る

ペットボトルだけ
歪だけれど

フローリングに
反射した光は
正にアート


こんなイカれた
昼下がり


額にはじわりと汗
頬が 意外に鋭い光に焦がされ

ペットボトルの返り血のような
水しぶきも今に
乾くわね


人工水たまりを睨む
イカれ女



叫んでた



ああ ワタシをわかって

1mmと違わず
この嘲笑った瞬間泣き叫びたい気持ちを
何と呼ぶのか
言い当てて
この隙間は 人を詰め込み埋めるしか
考えつかなくて。





ぞわりと触る風が。
秋と理性を連れてきた




ああ、雑巾取りに立たなくちゃ。






...結局、正常なフリに戻るのね。

目の前の歪んだペットボトルより役立たずだわ。








2005/09/29 (Thu)
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