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詩人:けむり
日々の不安と、
破れかぶれの明るさと…、
背中のあいたセーターと、
瞳のうれいを隠すきらびやかな化粧と…。
せわしない音楽に体をまかせるさまは、
まるでミツバチを吸い寄せる夜の陽炎みたい。
「ついておいで。覚めない夢を見せてあげよう」
誘う男に着いていき、
どれほどの窓から夢の終わりを告げる朝陽を受けたことだろう。
きみはどこか頼りない。
愛のシステムをちせつな言葉で語るきみは、
まるでおもちゃ売り場で駄々をこねる子供のように、
無駄だと知っていながら、
強大なルールにあらがおうとしているみたい。
疑いながらも信じていたいきみが、
冷め切らないうちに、
どうか、もう…
ピーターパンが見えなくなってしまえばいい。