詩人:中村真生子
春一番が吹いた夕方いつもと違った道を通って家に向かう。いつも前を通っている小さなお社があるいつもの道に近づく。お社の角を曲がっていつもの道に出ようとしたときいつもの道からは木立で見えないところでお地蔵様が手を合わせてこちらを見ておられる。慌てて手を合わせて拝むとお地蔵さまも手を合わせて拝んでくださる。ありがたい気持ちになる。少し行き方を変えてほんの少しその日の生き方が変る。心の中にも春一番。