詩人:甘味亭 真朱麻呂
太陽が朝の光を街に放ち
いつも通りの退屈な毎日が始まる
見なくても分かってしまえるほど
思い出せるだけのすべての過去が悪すぎる
明日もきっと
ダルいだけの日々が続くだけ
欠伸をしながら
ワープロに向かい
延々と手を動かすだけの無駄な時間
奪われたのは自由な時間
今欲しいのは落ち着いた休息
欲を言えばしつこいぐらいに続く連休ラッシュ
帰り道 まだ薄明るい九月の下旬
街灯に照らし出された疲れた顔の冴えない僕の顔
猫背のまま見上げた空にはうっすらと見える真昼の月
心で呟く
他人には如何せん耳障りな独り言
それと誰かに対する嫌みな愚痴や悪口
吐き出せるものは吐き出してしまおう
家には仕事も愚痴も持ち込みたくはない
家には家の会社には会社の
覗かれたくないプライバシーが在るから
仕事は終わらなくてもできるだけ持ち帰らないことに決めている
そんなことを考えながら
横断歩道 信号待ちをしている僕
青は進め
赤は止まれ
黄は注意
点滅するが僕は早足で渡る
振り返って
もう一度見上げる空
昼間とは違う
くっきりと浮かんだ燦然と輝く黄金の月