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[142206] 高校下の坂道

詩人:甘味亭 真朱麻呂


高校へと続く坂道は僕の近所のあっちのほう
僕はなんとなくその坂道をのぼっては人生を考える
人生も坂道みたいなもんだと
その坂道ではゆるやかなカーブ きつい傾斜
いろいろある
途中雨が降ったり晴れたり季節も変われば過ごしやすい季節もあるし過ごしにくい季節もあるんだ

そしてその坂道は人生だとしたら
僕は坂道のいちばん下で生まれて
だいたい百歳で死ぬのならいちばん上で死ぬんだろうな
坂道は今も続いてる
昔と変わらず続いてる
もちろん幼い時から比べれば歩きづらくなったり扱いの変化に戸惑ったりずるけれど
道の端を歩くかわいらしい子供もいつか僕のように厳しさに吹かれるのかな

でも坂道から見る夕暮れはすごく綺麗
きっと僕らはそんな景色を見るために生きてんだな 今日も

高校下の坂道を下りるとき 人生は戻れないけどそれもまた素晴らしい
時を恨むより愛していたいと笑った
鏡に映った僕の大人の姿が久々に見た気がした 厭だなと思っていたのに意外とかっこいい

気づいた 大切な事
時が過ぎるはかなさ
命が削られる痛み
すべて意味のあることならば僕はその素敵な意味を歳を追うたび見つけよう
この街のどこかにあるなら
二十歳は二十歳の夢を
五十は五十の夢を
そして
百は百の夢を

そんなふうな人生を歩めたなら素敵さ
素敵さ 素敵さ

坂道が教えてくれた
のぼらなかったらわからなかったことさ
生まれなかったら知り得なかったことさ
気持ちは今 どこか晴れやかでどこまでも透き通る ビー玉のように。

2009/04/12 (Sun)
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