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詩人:甘味亭 真朱麻呂
あれは六月のことだった
予定にもない悲しい出来事が予告もなく君を影も残さずに盗んでいった 今も記憶に新しい消えない傷跡
まるで子供のように君のはしゃいでた声
今もそこにいるように気がするよ
隠れてないででてきてよ
あれはそう
僕らが学生だったとき君が靴箱でちょうど帰ろうというとき僕は君に言った 話があるんだけど…あの瞬間から始まっていた恋ははかないものだね
大人になんかならなきゃよかった
そういっても君はもう空の彼方
指先も届かない人
それでも僕の心の中で今でもきらめく君との思い出は大切なメモリー
忘れられるわけもなく忘れちゃいけない
それだけが君がいたあかしだから
僕の手元に残ったものがあるとすればそれだけ
悲しいけど夢のようだった
そんな終わりかたイヤだよ
本棚の上の君の写真がこっちを向いて笑ってる
開け放した窓からそっと吹き込む夕暮れの風が涙を誘う
カーテンを巻き上げる風に君のゆくえをたずねてみてもきっと風はなにも言わない
それはもう君がこの世にいないことをあらわしてる
理屈など抜きにして君の帰りを今日も待ってる僕をばかだね
君が帰るまでこの部屋はずっと雨
どんなに晴れた日も僕には雨と変わらないから悲しみはずっと癒えません
そんな見苦しさに君は泣くかな笑うかな
そんな僕を見たら君はどう言うかなあ
でも君は誰よりも僕のこと愛してくれただから僕も途中で君を愛せなくなったなんて言えないのです
麻薬のように何度も思い出に酔う
夏の空の下 照りつける陽射し
匂いを嗅いでみれば思い出はかすかなラベンダーの香り
泣きたくなるくらい君の香り はらんでる
僕はまだ君を愛してる
君の思い出を忘れられない
君はもう存在しない人なのに
約束はしたはずなのに運命はなんて残酷なんだろう…
いつまでも許せそうにないな…