詩人:どるとる
これでお別れだけど
今日でサヨナラだけど
君に出会えて良かったな
そんな風に思うよ
とっぷり日も暮れて
いつの間にか帰る時間
カラスが鳴く
電信柱の影が伸びて
はるか向こうには
夕闇が迫るころ
僕はあなたに
愛の言葉 言いたいけど
あなたは僕じゃない人を好きだってわかってるから
言えないよ 言わないよ
だからせめて君に出会えたことをずっと忘れずにいることが
君を好きになったことを素敵な思い出にすることだと思うから
笑ってサヨナラするんだ
ああ なんてきれいな夕焼け空なんだろう
切なくて 切なくて
泣いてしまうよ
僕が抱いた思いが時代遅れの恋だと
笑うのならば
いつだって
一生懸命だった
いつかの僕を笑うのと同じだ
だから、僕はあの日の気持ちを捨てずに今も抱いているんだよ
君に出会えたこと
君を好きになれたこと
ぜんぶ忘れないよ
ぜんぶ覚えているよ
だからどうか幸せになっておくれ
僕のぶんまで幸せになっておくれ
ウェディングベルが鳴る
君がバージンロードを歩く そんな姿に僕は君に出会えたことの喜びを見たんだ。