詩人:さみだれ
詩に焼き付ける言葉の一つ一つが
蛍光灯の前で踊っている
はしっこで立ちすくんだ言葉は
主役になれないと家で泣いていた
それを見た言葉の重鎮は
詩をひとつ見せた
古い時代の叙情詩は
輪になって踊っている
火の下で手を繋いで
泣いていた言葉は泣くことをやめた
言葉の重鎮は言う
"神様が変われば人も変わる
ただ忘れてはならないのが
私たちはどれほど長い月日が経とうと
変わらず伝えられていく
今日のことも
人が生きてさえいれば
お前たちはいつか幸せになれる
いつか主役にもなれるだろう
お前の存在こそが欠かせない詩だ"
詩に焼き付ける言葉の一つ一つが
豆球に照らされ踊っている
輪になって踊っている