詩人:どるとる
誰かの頬に今日もまっすぐに落ちるように流れる涙の話をしましょう
僕や君にはきっと関係ないこと
でもね気持ちは解るだろう
だから関係のないことにでも僕らは誰かの涙に関わろうとする
例えば今日どこかで誰かが流す悲しい涙があるならば
せめてその人の涙が次に流れるときには喜びの涙に変わるように願う
長い長い時間をかけて 人が歩くほんの数十年 百まで届くかこの命
魂さえも燃えている
くだらないようで
切実な涙の話は続きます
悲しいような
嬉しいような
涙のわけはたわいもない会話の中で続きます
ねえ例えばあなたがよく知る人の毎日に 流れる涙があるならば あなたができる限りその人の涙の話に耳を傾け わがままさえも残さずに聞いてあげる それもまた優しさだろう
僕にもあるし
君にもある
涙の話は終わらずに世界の終わりまで続きます
切ないような
むなしいような
時間の中で少しずつ削れていく命を感じながら それでも続ける 涙の話
いろんな場所で今日も聞こえる 涙の話
明るい場所でも暗い場所でも 賑やかな夜でも沈んでる朝でも
悲しみでも喜びでも涙を流すたびに生まれる 涙の話さ。