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詩人:甘味亭 真朱麻呂
僕たちは新しい物を常に馬鹿みたいに求めてる
古い物より新しい物を
だけど古い物には新しい物にはない良さがあって
たとえば別れた彼女を思い出すのと同じようなことだ
君は小さく手を振って僕にまた逢おうネってつぶやいた
あの約束は今も君はおぼえてるかなあ
古い記憶だけれど
君は誰より僕のことを愛してくれたよね
思い出を振り返れば君は誰より僕にふさわしかった
ような気がしても
今さら 今さらだよ
新しい彼女はとても現代の毒素を吸い込みすぎた女
古い彼女はとても今の彼女なんかよりずっと素敵だった
君と同じ思い出を共有し変わらない毎日を歩めていた幸せに今になって気づいてもただ悲しくなるだけ
せつない胸に風が吹いた
予報にもない雨がほほを濡らした
ああ
痛いほどわかった
「新しい彼女より古い彼女」