詩人:どるとる
ひとりきりの帰り道
気がつけばこんな月の夜ほほをなでる風
切ない気持ちを引きずりながら
ここまでなんとか歩いてきたけれど
言葉にさえならない不安とか迷いとか
胸の中で渦を巻いてるよ
くたびれたスーツとよれよれのネクタイ
風になびかせて へたくそな口笛吹いてみる
時々悲しいことごまかすみたいにスキップ踏んでも 抑えきれない涙
なにが悲しいかっていざ聞かれたら
多分答えられない僕だけれど
それはそういうものだよ人生ってのは
生きてるだけでかなり面倒でかなり辛いのさ
大好きな人の顔を思い浮かべて 早く逢いたいな そう思うとなんだか
辛いときだって頑張れる僕がいる
なんでもないようできっとどこかが
悲しくてうれしくて
幸せなような不幸なような
曖昧な土の上 とりあえず生きている
そしてまた今夜もひとり帰り道
見上げれば夜空にまん丸い月が
数えきれない瞳の中
輝いてる
君も見ているかな
あの月を
君はなにをしてるかな今頃
またひとつペダルを踏むたび 季節は変わり 嫌なことも記憶の水底へ
そして時は流れて
また同じようなことで泣いて笑って
誰かとの帰り道
優しく微笑むあなたと二人伝わるぬくもり
好きだよ その一言で今日ははなまる。