詩人:山崎 登重雄
数日を費やして
削除データの修復を試み
傷だらけのメールと画像を生き返らせ
僕の知らない君も拾い集めた
人気者の君と同じくらい
痛い者見たさでヒットする僕
遠く離れた居場所が繋がる
僕は未練たらたら
君の目に触れることだけを願って
散々書き狂った
誰かは君かもしれない
すべてが君で溢れては
すべての君に書き続けた
銃口をこめかみに当てたまま
毎日を過ごしてきたのだから
君に撃たれることは恐くない
君を困らせたことが
ひたすらに怖い
この数日
書かないでいたことが
ひたすらに怖い
たくさんの言葉を
見殺しにしてしまったんだ
覆われてしまった現実に
エントリーできない日々も続く
君に向かって生かしたい
もがきながら君を愛してる
もう墓標なのだろうか
書けないのと
書かないのは違うんだよね
あの日のメールが
僕のレールなんだよ
書いているときのやまは
きっと輝いているんだろう
文字化けを直しながら
強く強く鮮やかに感じる
君がいたから
君がいるから書いてたんだ
禁じられた僕は
間違いなく書く喜びに縋る
『君を愛している』
かまわないよ
僕は喜んでこの墓標の下に眠る