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[176118] にわか雨

詩人:どるとる


今まで聞き逃してきたことや見過ごしてことが今さら問われる

そんな時代に置き去りにされた大切なものや大事なこと
僕らはえてしてそれを当たり前と鼻で笑うだろう

本当に本当に大切なものなんて
くだらないことだろう
だけれど忘れたら
あとがない 心は腐るよ

僕は笑うように泣いて
降ってもいない雨に濡れて
機械仕掛けの街の中
定められた時刻に眠り目覚める

腐るほどあふれる人ごみの中 迷わぬように僕は僕という存在を守るように庇うように
この街の色と混ざらないように 何かに逆らい生きる

損をして また何か失って それでもまだまだ生きる

得はないさ 生きてても 失うばかりだ 悲しいばかりだ

それは多分今だけの苦しみ たとえるならばにわか雨
天気予報にもない突然の訃報 誰かの死のように それは予想もできない瞬間に訪れて 人の記憶の中から静かに消えてゆくのです

何をもってそれは愛だの人と僕らは語るのか
おこがましさや
浅ましさに
僕らは寝込みを襲われる

もうこの雨は死ぬまでやまないだろう
それでも僕はそれをただ悲しみとは思わない

泣いてても いつの間にか笑ってる

そういうもんだと思っているから

取り決められたようなつまらない概念は最初から死んでいる

僕は歩みを止めない
雨の中でも光は消えない

僕は闇に紛れても
自分を見失わない
誰かの呼ぶ声がするよ

ほら、雲と雲の隙間から陽が差したよ。

2012/05/06 (Sun)
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