詩人:剛田奇作
午後は空が低かった
風がとても強くて
君は 大きな眼をほとんど閉じてしまいながら
笑った
睫毛の中の黒眼も
やっぱり大きくて
さりげなく
揺らぎながら 私を時々みている
そのいつもの君の
悔しいけど奇跡のような「当然」
余りにもその優しい余裕が
息苦しくて
まともに君をみれない
私が
君に触れると
君は優しく
きっと、私を抱くだろう
そして肩を離し
永遠に
違う道を
また、歩むのだろう
鼓動がきしむような心臓を、コートで隠す
歯がゆい、色褪せたような恋しさにも慣れました
強い日差し、強い風
痛みなど、感じない風