詩人:甘味亭 真朱麻呂
今日もまた終わるのですね
昨日のごとく終わるのですね
あたりまえのようにこうやって
見飽きたほどにこうやって
日が沈めば夕闇が空に墨汁をぶちまけるのだろう?
もう展開は読める
わかってるよ
だけれどただひとつ何回味わってもなれてしまえないこのサヨナラのせつなさ
涙の粒が目に光る
みんなが流す涙が今日もこの街の空に星となり輝く
都会の空に星が光る
ひとつ…ふたつ少しずつ数を増して光る
サヨナラ 夕暮れに
会ったばかりなのに短いデートだね
ずいぶんご無沙汰でした
挨拶もそこそこ嫌みな夕闇が夕暮れを隠すんだ
君はそれを見て泣いているのかな
僕はどうするべきだろう…
同じ運命 同じ宿命
抱えたまま進む僕ら
生きる形 生きる営みは多少違えどこうして生きるのは同じ
生まれたときやくたばるときは違っても
こうして日々を少しずつ完食してくのは同じだから
せめて似たような運命を共有する人として僕らは愛し合うのさ
同じ夜を見上げ同じ星を見つけても
同じ感想を持つわけじゃない
だから行き違う僕ら すれ違う意見
まずそこからもう違うんだ
それでもなんとか人間様には優しさって気遣いがあるから
遠慮し譲り合い不器用でも大丈夫さ
神様のお手はわずらわせません
今日もそんなふうに1日が終わるのですね わかってました…
街に灯りがともりだしたらもう今日は
そしていつかそんなあたりまえな日々も終わるのですね わかってます…
それでも僕らは与えられた時間の中愛という名目でこの人生に花を添えます
つみ取るのは命じゃなく輝きです
ほらこんなに笑えるよ 本気で泣けるよ
悲しい運命限りある命だからこそ精一杯生きる
その気持ちだけで明日も僕らまた笑ったりできる
本当は素晴らしい事だと思いたい
言葉にできない"現実"に目を閉じる
さよならの表情を窺いながら僕は。