詩人:甘味亭 真朱麻呂
今 ここにある 瞬間
今 目の前流れた時間
今 ここから踏み出す一歩
それは 全て 僕の人生を司る一冊の一行ぶんもないちいさな出来事
それが 全て ひとつひとつ重なって大きな文になっていく
いわば それは
現存地図なんだ
幾つもの現在(いま)を示し合わせる一メモリもない気難しい微調整なんだ
ただあたりまえな一瞬をどう受け止めるかで今はどうにでも姿を変える
現存地図は描く人次第でなんにでもなる
なにもしないのもまたその人の描き方
なにもしなくても描かれてしまうから逃げられない
今 君は スコープの中
ねらわれてる いつも
撃たれようと思えばいつでも撃てる的の中
運命にねらわれてる
だからこそ焦ったり急ぐ
だからこそ走り書きのように時にめちゃくちゃに描いてしまう1日がある
現存地図はそうやって少しずつ少しずつ素敵な形を持っていく
描き手の色に染まってゆく
今も地図の中のひとコマ
さあ 歩き出そう
生きる気があるなら
明日もまた繰り返そう
明日はまた同じでもいつかそれが何かを変えるきっかけになる
きっと きっと
いつの日か
地図上に光が浮かぶ
そう思えば
今も ひとっ飛び
軽く跨げる筈さ
涙は風に吹かれて
すぐに消えていく
悲しみなど一瞬さ
馬鹿らしい幻
だから ほら
地図をひらいて
地図をやぶり捨てるまで
描き続けて
喜びを 悲しみを
切なさを抱きしめて
負った傷を癒やして
限りがあるも絶え間ない日々をゆっくりゆっくり縮めてこうね
今日も自分をなだめて優しい言葉で心涙をさそおう
いいじゃないか
自分は頑張ってる
自分しかわからない
そうだろ? なあ?
現存地図を手に今宵も月見酒。