詩人:どるとる
遮るもののない場所へ行きたい
ルールも掟もない場所へ行きたい
たどり着けるかなこのまま歩いていれば
安らかな眠りに
穏やかな明日に
風のない日の朝に僕はめずらしく早起きして空を見ていた
それはまるで蓋のない箱のように
開け放された自由な気持ちだった
もう人の悪口も世の中への文句も言わなくてもいい
そんな場所へ そんな場所へ 僕は行きたい
行ってしまいたい
ここにはまだ 輝くような何かがある
それがあるために僕らは行けない まだ
それはまるで蓋のない箱のように 遮るもののない場所なのに
いつもまるで見えない蓋が僕らの口や心をふさいで押さえつけているかのように自由とは言い難い日々なのだ。