詩人:山形少年。
もうそろそろ
山形にも
雪が積もるだろうか。
シンシンと
世界が真っ白に
染まってゆく。
白い吐息とともに
見上げた夜空には
星、ホシ、ホシ。
あなたとの
最後の夜は
道路も凍り付いて
握った手だけが
暖かかった。
何年経っても
冬になれば
思い出してしまう。
生まれて初めて
愛したアナタだった。
生まれて初めて
失ったアナタだった。
アナタの
冷たく小さな手は
今はきっと
他の誰かの
大きな手に
包まれている。
幸せになれ。
幸せになれ。
初恋の息吹は
あの時のまま
今もどこかで
雪の下
春を待ってる。
幸せになれ。
幸せになれ。
あの時僕は
幸せだった。
離れゆくその瞬間まで。
幸せだった。