詩人:碧子
全力疾走
石につまずき転倒
膝から大量に紅く流れた
まだ走れるぞ
まだ走れるんだよ
まだ走っていたい
足が思う様に動いてくれない
全力疾走
道に迷い先に進めない焦りと不安が募る
お願いです
誰か道を教えてください
行き交う人々見向きもせず自分が先と競り合う
もうダメだ
僕は明日へは行けない
疲れた体と心を壁ににもたれ掛ける
壁が倒れた
僕も倒れた
真っ青な空と真っ赤な太陽が姿を現した
僕の紅い血とよく似た太陽
眼が焦げそうな位眩しくて眼が開けられない
明日への道は開かれた僕はあの太陽と同じ紅が流れた足をもう一度動かす
全力疾走
まだ走れるぞ
まだ走れるんだよ
まだ走っていたい
まだ走るんだ