詩人:襤衣〜ランイ〜
弱い心を隠すからこそ
その周りを鉄で囲うのに
人には 強い心の持ち主だと思われる
見せ掛けだけのハリボテは
ほんの少しのことでも すぐに壊れてしまうから
内面の 柔らかい薄い膜に いとも簡単にたどり着く
そうなれば
中に溢れ返る 心のいろいろな感情が
ここぞとばかりに噴出してしまうから
それを悟られぬように、と
私はハリボテを また 鉄で囲う
たとえ 囲った内側が 錆びてぼろぼろになったとしても
表にメッキで加工がしてあるならば
誰にも気付かれることは無い
日に日に増える鉄の防壁
日に日に侵食する内面の錆
ああ、崩壊の日はいつだろうか