詩人:藤井柚子
(もううんざり!!)
ほらほら、教室から飛び出した鳥、夢のなかの数学の授業で先生が言っていました、「死が我々の隣にないのであれば私たちは消えてしまうしかない!」って。 ねえ、先生、もし私が神様だったらどうします?あの、ごめんなさい、実は神様なんです、私。何でも思うとおりです♪でも死なんてあげません、欲しいって言ってもあげないのです。鳥を追いかけるのは燃えている青、( 青を燃やしているのは太陽。私は月?星かしら? 私は神様なのですが、気になります )何だって良いのだけれど私は先生の祈りだけは拒否しますね、これだけは絶対。神様も疲れているのです、全員の祈りを聞いている時間もないのですね、来週からテストでしょう。勉強に忙しいのです、私。ごめんなさいっ!そうだ、教室を砂漠にすれば先生は渇いて死んじゃうのかなっ?だから優しい私は教室を先生が死ぬまえに海にしてあげます♪それだと先生は溺れて死んじゃうのかなあ。あのっ、順番はどっちがいいですか?選んだほうと反対のほうを選んであげますねっ。でも死はあげないの。ごめんなさい!先生の言ってたとおり人間は死なないと消えてしまうのでしょうか?そこにすごく興味があるのです、私。消えないのであれば2007歳の先生が見てみたいな。骨だけになって私に死をくださいと祈る先生の姿を見てみたいのです。私、悪い子ですか??あ、でも死がなくなると本当に「我々」が消えるのであればそれはそれで見てみたいと思うのです。
(略)うふふ。私は本当に先生のことが好きだなあ。
フジ―サンフジ―サン
隣の席の男の子が声をかけてくる、きみは太陽っぽいね。陽が眩しい。私は太陽とは交われないのに。
「あ、」窓の外では鳥が空へと飛んでゆき、燃えた青は鳥を追いかけ 空へとのぼっていった。私は神様なのに、私は神様なのに、
先生は教壇のうえで「我々は隣に死がないと消えてしまう!」と叫んでいる。
今は国語、ほんの少しの違いしかない。大丈夫、先生はきっとこれから燃えるのだろう。好きだよ、先生、死はあげないからね。
約束、骨だけになって私に祈ってください、突然消えたりはしないでね。
ふふふ。と私が笑うと先生は真面目な話だぞ。と私に言った。太陽が不思議そうに私を見ていると、先生が少し青くなってきた…、
気がしない?♪