詩人:けむり
暗黒だ
太陽さえ輝かないブラックホールだ
何故なにもかもが思い通りにいかない歯がゆさと
大好きだったおもちゃをふと壊してみたことが
同日であったかと考えながら
なにもかも大嫌いだと苛立ったことを思い出し
自嘲的に困った
費やした日々は成長のあかし
伸びた手足と届かないものをあきらめる物分かり
カドのない正義に拍手さえできる協調性
ずいぶん年寄りだなと自分を叱責する気にもならない
チッチッチッチッと秒針がせかす
なにかしなくちゃ
息を吸って吐いている分だけなにか
息をしているだけでは足りないんだ
情熱したい
暗黒だ
太陽さえ輝かないブラックホールだ
もうじきおれはおれ自身から失われるよ
もしかしたらもういないかもな
雨は嫌いだ
出かけるのが億劫
傘をさすより雨に打たれて歩きたいけれど
服が濡れたら人目につくし
低気圧のせいで頭痛もひどいや
アア
いっそ盲目の鳥に産まれたかった
感性だけで空を飛ぶものに
大セールだ
おれのなにもかもをくれてやるぜ
『心売ります』
今にも空に押し潰されそうさ…