詩人:古代村の住民。
小さい頃、父と二人で
小高い丘に立って
遥か遠くの水平線を
眺めていた。
すると、
いきなり水面から
龍の尻尾が天に向かって
伸びていくでは
ありませんか。
そして
尻尾の先から
真っ黒な雲が噴き出し
左右に線を引いた様に
雲は広がって
見る見るうちに
尻尾も太くなり
今度は雲に
吸い込まれる様に
下の方が細くなり
だんだんと
天に消えていった‥。
あまりのびっくりに
父に聞いた。
「いまのなに?」
「あれは、神様が
天に昇っていく姿だよ」
それを信じて夢を見ていた
十数年も〜
あれは、
神様ではなく
竜巻の発生だった事に
やっと気が付く。