詩人:月詠
心臓(こころ)が割れる
軋みながら痛む
鏡に写る私を
どうしたら愛せるの
願いは途絶える
祈りは消える
鳴りっぱなしのオルゴールが
この鼓膜を破る
大好きだった事でさえ
今は耳障りで
噎せ反って嘔吐する
代えられぬ願い事を今更叶えて
何になるのか教えて欲しい
死に絶えて行くの
この侭 尽きて逝くの
私はきっと私を許さない
貴方が触れる
私は逃げる
誰にも触れられぬように
固く閉じた硝子窓
見えるのに手が届かない
硝子窓の向こうの
光が当たる場所を眺めてた
代わらぬ願い事は今は何処へ?
伝わらぬ祈りは何の為に?
神様が云うから
『どうぞ地獄(ここ)へおいで』と
微睡んだ眸で私に云った
地獄も光も本当はどちらも必要とはしていない筈だったのに
代えられぬ願い事を今更叶えて
何になるのか教えて欲しい
死に絶えて行くの
この侭 尽きて逝くの
私はきっと私を許さない