詩人:タキシード詩者
この世に放たれた瞬間、僕らは終わり(死)をめざして動き始める。終わってしまえば全ては無で、今のこの瞬間も全てが無駄になる。それが、恐くて僕らはくだらない偶像を信じてみたりするけど、それでも、向かうは死のみ。
始まりは終わりの始め。そんな事わかっちゃいる。いるんだけど、全てが無になるのは嫌で…恐くて、認めたくなくて…。その途中過程に本来の意味を求めようとする。誰だってそうだ。今の自分を信じたい。
未来の世代に望みを託すけれど、今の自分は消したくない。知識を持った生物は面倒だ。
そして僕もその一人だから、次の世代の記憶に大きな傷を残してやりたい。消えゆく僕の、最初で最後の、無邪気でちっぽけな悪あがき。
それを人生と呼ぼう。