詩人：ねこのひげ

あなたに触れられると　自分の体じゃないみたい
釣り上げられた魚のよう　意思とは関係なく波打つ

苦しいの　酸素を頂戴
水が無いあなたの世界では生きられない
最後まで飼うつもりが無いなら　なんで釣ったの？

元の海にはもう戻れない…　帰り方も忘れてしまった
おとぎ話の人魚姫のように　現実は人にはなれない

解ってたのに近づいた…　そう、わざと釣られたの
水際に映るあなたの瞳が　海の色してたから
吸い込まれるような　深い深い海の色
寂しさや悲しみが混ざった　深い色
傷ついてもいい　そう想ったの

近づけば近づくほど溺れてく　水は無いのに
ふいに見せる優しさが　判断を鈍らす
　
ずるい人…　
離れる勇気が無いなら　早く口づけて
私に酸素を頂戴