詩人:猫耳の女
小さなお子さんが
今日もまた一人
亡くなりました
遠足の思い出
詰め込んで
ランドセル背負って
二人でカケッコ
通学路には
花が添えられました
飼っていた金魚が
死んだとき
天国で会おうねと
あの子は
お墓の前で合掌して
さみしくないのと
やさしいから
連れていかれたのでしょうか?
泣き崩れる母親が
ドラマのよう
現実度に乏しい私
いつの日か
この花が枯れた時
星も降るように
誰かの涙も枯れてしまうのですか?
無念と恐怖と最期は
場面と意識と走馬灯
あの子は
ひとりで旅立ちます
それはそれは
かわいい子だから
どうか返して
戻ってきて
そろそろお家に帰る
時間になるけれど
元気な声でただいまと
聞こえたのは
今にも
そうなってほしい願望