詩人:どるとる
僕はえんぴつ どこにでもあるHBのえんぴつ
珍しくもないさ
えんぴつも命がある
だから折れたら多分痛い
えんぴつだって個性がある
えんぴつだって生きている
短くなったら ゴミ箱に捨てられてしまう
芯がなくなったら 先を削られてしまう
でもそれがえんぴつだ
みんな同じ運命のように 僕らえんぴつも
生まれてはまた削られて 最後は捨てられる
それが僕らえんぴつだよ 悲しくないわけはない
それでも黙って 今日も僕を使う人の手に握られて 文字や絵を書き 役に立っているんだよ
少しでも助かっているならば 本望さ
えんぴつはカタカタと テーブルを笑うように転がる
えんぴつの気持ちになってみたら どこか優しくなった。