詩人:さみだれ
魂のないあなたの行き先は
白い大理石のお城でも
燃えたぎるマグマの中でもなく
魂のないあなたの時間は
青く澄んだ日の木漏れ日でも
涙を流すための夕焼けでもなく
魂のないあなたの記憶は
温かい食事を前に語らうでも
寒さに震える夜の寂しさでもなく
魂のないあなたを慈しむのは
春の穏やかな太陽でも
抱き抱え乳をやる母の手でもなく
魂のないあなたを閉じ込めるのは
しがない落ちこぼれの少年でも
微笑みを絶やさない老婦人でもなく
魂のないあなたの魂は
言葉の群れに紛れ
永遠に空を仰ぐことはできない
魂のないあなたの心は
世界の外れに在って
この目に映るものではない