詩人:甘味亭 真朱麻呂
二十歳の僕は
片足をあっちの世界につっこんでいる
五十歳の僕は
半身をあっちの世界に奪われている
百歳の僕は
ほとんど全身あっちの世界にいっちゃってる
心だけ浮かんでる
なぜかおしゃべり
そうしていつか向こう側へ行くんだね
わかってるんだ
みんなそうだったもんね 祖父も叔母も
僕もあっちの世界の住人になる
ため息がつくほど
呆れるほど
理解し過ぎてんだ
だから 悲しいのさ
いつか向こう側へ行くことより今はそれを知ってしまってることが
そして何よりそんな気持ちを抱きながら少しずつ少しずつその日に近づいてく毎日が
そして極めつけにいつその日がくるのかわからないことが
不安で不安で仕方ないのです
若いのに 僕
そんな事ばかり
ホント 縁起でもないよなあ…
わかってても考えてしまう
頭から離れない
絶対的な真実
みんな どう思って毎日生きてるかな
だからこそ精一杯
そう言うかなあ…
僕にはそんなコトバ
屁にしか思えないのに…
君はなぜ笑うのかな
そんな悲しい楽しさを そんな毎日を
そしてなぜ僕は毎日を意味もなく見送るのかな
わからないことばかり
今日もただ空を見上げて思うけど。